金型メーカ訪問記 -5-

YJS・渡辺利広/Y販・須田 勉

−(有)梅善工業様
暫くお休みしておりました「金型メーカ訪問記」、今回は愛知県豊川市で、プレス金型の設計製作を行ってみえます(有)梅善工業様をご紹介いたします。
代表取締役社長の大塚様にお話を伺いました。


< 渡 辺 >
会社を始められてから何年になりますか?

< 社 長 >
昭和57年7月に始めて17年になります。最初、おばの家が空き家で空いていたので、その家を借り、改造して始めましたが、その6年後、平成元年に新工場を新築し、現在に至ります。

< 渡 辺 >
始めた頃はどうでしたか?

< 社 長 >
最初は私ともう一人の2人で行っていましたが、会社が10時ごろに終わると自宅へ帰って、夜中の2〜3時頃まで設計をしていました。夜中になってしまうので自宅の庭にプレハブの設計室を建ててやっていましたが、納期がない時は、会社に泊まり込むこともあり、お盆休みや正月も仕事をして休みはほとんどなかったですね。

< 渡 辺 >
WCを導入した頃は、どうでしたか?

< 社 長 >
WCの外注費が100万円を越えたら導入しようと決めていました。そして平成元年に工場を新築した際に、JAPAXよりLDM−50を2台導入しました。そして、WCを動かすために自動プロが必要でしたので、プレス金型の設計ができる"E−CDM"を同時に導入しました。

< 渡 辺 >
その頃からお付き合いをさせていただいているわけですね。今の会社を始められる前はどういう会社にお勤めでしたか?

< 社 長 >
私の職歴はとても変わっていて、最初の職は床屋でした。そこで修行して理容師の免許も取得しましたが、先々を種々考え、印刷関係の会社へ転職し、営業の仕事をしていたのですが、その頃プレナー加工等の切削業をしていた兄に引っ張られて鉄工業界へ入ったのが、今の仕事を始める元です。

< 渡 辺 >
金型についての知識はどのようにして得られたのですか?

< 社 長 >
金型製造に携わる諸先輩が私の師匠ですが、関係する本やプレス技術などを読み知識を得て、あとは自分なりに考えて今に至っていますが、この仕事は経験の積み重ねと常に進歩する努力がとても大切かと思います。

< 渡 辺 >
今まで辛かったことなどはありますか?

< 社 長 >
私は悲観的に考えるのではなく、何事も前向きに考える性分なので、そんな時は"なにくそ" と思うのが先に立ち、あまり辛かったことはありませんでした。会社を運営していれば、いろいろな事があるのが当たり前だと思っています。
大塚社長
大塚社長

ワイヤ加工ルーム
ワイヤ加工ルーム

CAD/CAMルーム1
CAD/CAMルーム1

CAD/CAMルーム2
CAD/CAMルーム2
人間はいろいろな場面に遭遇します。そういう中で最善の方法を考えればいいわけで、考えた結果でそうならなければ、それを反省し次のステップの土台にすれば良いと考えるわけです。昭和15年〜16年生まれの我々の年代は非常に貧しい時代を経験したためかハングリー精神が強く、そのためか私の周りには同年代で同業を含め、独立して経営者になっている人が多いのです。

< 渡 辺 >
今後の目標をお聞かせ下さい。

< 社 長 >
もうすぐ58才になるので、後は後継者に任せて、バトンタッチしたいと思っています。60才を過ぎたら、温泉にでも行ってのんびり、ゆっくりしたいと思います。

< 渡 辺 >
どうも長い間ありがとうございました。

いつも前向きで、非常に努力家でもあり、本や知人からの知識をもとにご自分で結論を出される社長、そんな会社とお付き合いをさせて頂き、私も大変光栄に思います。
最近はお孫さんの髪を切ってあげたりしておられるようで、また違った面を発見させていただきました。梅善工業様の益々のご発展をお祈り致します。

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