金型メーカ訪問記 -6-

YJS・渡辺利広

−(株)養老技術センター様
今回の金型メーカ訪問記では、岐阜県大垣市でプレス金型設計製作を行ってみえます(株)養老技術センター様をご紹介いたします。
『金型は男のロマンである』と言われる代表取締役社長の大橋様にお話を伺いました。


< 渡 辺 >
会社を始められたのは、いつ頃ですか?

< 社 長 >
昭和47年1月7日。今から28年前に『大橋生産技術』として金型の設計会社を設立しました。
それまでは、サラリーマンをしていましたが、やはり「男子たるもの一国一城の主になる」という信念のもとに会社を起こしました。

< 渡 辺 >
始めた頃はどうでしたか?

< 社 長 >
3年間は今の場所ではなく、養老で1人で設計を行っていましたが、昭和49年にお客さんと一緒に金型製作会社の『養老技術センター』を起こしました。
社員3人で行っていましたが昭和50年には、今の大垣に移転しました。
この会社設立や、大垣への移転などが、よい方向へ向かって、ここまでやってこれたと思っています。

< 渡 辺 >
CAD/CAMの導入はいつ頃でしたか。

< 社 長 >
会社を初めて7年目に工場を立て直して、三井精機のマシニングセンタとJAPAXのCAD/CAMを導入しました。
15年目には新工場を増設し、今ではワイヤカット17台、マシニングセンタ4 台、治具研が1 台、CAD/CAMが5 台になりました。

< 渡 辺 >
韓国の学生の研修を始められたのは、どの様なきっかけからですか?

< 社 長 >
たまたま韓国へいく用事があって、『ソウル産業大学』の先生と知り合い、1987年に産学協力関係ができて、今年で13年目になります。
今では大垣精工、城山産業、YJSと4 社で研修生の受入れだけでなく、大学へ出向いてセミナーもやっております。
85年に初めて台湾へ行って以来、趣味と実益をかねて、外国とのお付き合いをしています。
社員旅行も海外へ行くようにしています。

< 渡 辺 >
会社経営の理念にはどのようなものをお持ちですか?

< 社 長 >
まず、第1 に職人集団ではなく、技術集団になることが重要だと思います。
次に、分業制はそれはそれでいいと思いますが、設計だけ、営業だけではだめだと思います。
個人、一人一人が経営者の意識を持つことが大事です。毎日マニュアル化された仕事をこなしているだけでは不十分で、臨機応変に対応することが大切です。
3 番目に、金型屋になるには、金型作りが好きになることが大切です。CADの操作ができるだけでは駄目で、もの作りができるようになることも重要です。
また、私は終身雇用は必要だと思います。
大型MCと出荷を持つ金型
大型MCと出荷を持つ金型

CAD/CAMルームの風景
CAD/CAMルームの風景

ワイヤ放電加工機群
ワイヤ放電加工機群

設計スタッフの面々
設計スタッフの面々

< 渡 辺 >
今後の目標をお聞かせ下さい。

< 社 長 >
一番重要なのは世代交代をスムーズに行うことと考えています。
ベテランと新人とをうまくMixさせ、業務を円滑に行えるようにすることです。
私は、『有言実行』をモット−にして今までやってきました。私は、いろいろなことを言うが、言った事に対しては、責任をもって実行します。いろいろなことを言うことに対して自分にプレッシャーをかけるわけです。
そうした中で沢山の人と出会うことができました。そうした人とのつながりが私の一番の財産です。

私が伺うととても気さくに、いろいろなお話をして下さる社長は、いろいろな事柄について、とても勉強してみえるのに、いつも驚かされます。これからも金型業界の牽引役となり、頑張っていかれると思います。
『養老技術センター』様の益々のご発展をお祈り致します。

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