金型メーカ訪問記 -3-

YJS・渡辺利広

−(有)加藤製作所様
    米国法人である K.S.of West Virginia Co.,Ltd 様
今回の金型メーカ訪問記では、 (有)加藤製作所様の米国法人である K.S.of West Virginia Co.,Ltd 様を御紹介致します。
1995年10月にアメリカのWest Virginia(ウェストバージニアW.V)州のRavenswood(レーブンスウッド)市に設立され、精密プレス部品の作成及び組立、プレス金型の設計製作を行ってみえます。社長であられますMr.HIRO KATO,PRESIDENT(加藤博保社長)に伺いました。


< 渡 辺 >
こちらに進出されたきっかけは?

< 社 長 >
W.V.へ客先が進出したため決意致しました。こちらへは日系企業が14社進出されており、代表的な企業としてはトヨタ自動車、日本特殊陶業等です。市場は、日本に比べてとてつもなく大きいと思います。

< 渡 辺 >
アメリカでの生活はどうですか?

< 社 長 >
気温は夏は30℃位、冬は−20℃程度まで下がります。雪は降りますがさほど多くはありません。夏は日本のように湿気がないため過ごし易いです。このアメリカでは、自動車に対する考え方が日本とは大きく違うと思います。土地が広大なため、何をするにしても車が必要です。例えば老人が車椅子の代わりに自動車を使用する感覚ですから、下は16才から上は老人までが全て自動車を使用する生活となっています。アメリカでは 16才になると車に乗れるわけですが、高校でも教えていますので免許を取得するまで殆ど費用は掛かりません。よく高速道路(フリーウェイというようにただです)を使用しますが、ちょっと移動するのに2〜3時間走るのは当たり前で、最初は大変だと思いましたが、今では何とも思わなくなりました。生活するには日本に比べて物価が安いと思います。公立幼稚園から公立高校まで教本も含め無料です。電話をするのも、マーケットで買い物をするのもずいぶん安く済みます。国際電話も非常に安い。携帯電話は日本のように普及しておりませんが、アメリカでは、掛けられた方が料金を支払う仕組みのようですので、電話番号は人には教えないようにしています。W.V.の州都 Charieston(チャールストン)の一番高いホテルのレストランで食事をしても、一人当たり30ドル程度です。ゴルフは、私の会社が契約している所で一人1回8ドルです。(バックを自分でもってプレイすればただです。)

< 渡 辺 >
会社の状況はどうでしょうか?

< 社 長 >
1995年の10月に設立してから4年目に入るわけですが、工場が約半年で建ちましたが、順調に生産が行えるようになってから1年が経ちました。現在2交替制で生産を行っていますが、従業員数が115人、内日本人スタッフが私を含めて6人という状況です。(6:30〜15:15と15:45〜12:00)

< 渡 辺 >
こちらに来られて一番問題となることは?

< 社 長 >
当然、言葉が一番大きな問題です。それでもどうしても英語を使わねばなりませんから、徐々に慣れてくるものです。また、文化や宗教の違いはどうすることもできませんから、それらに対しては合わせるように心掛けています。
最後に給料日が一番大変です。日本のように現金支給や銀行振込ではなく、小切手を使用しますから、何百枚もの小切手にサインしなければなりません。給料日は2週間に1回と決まっていますから、日本に2週間以上帰国する事もできないわけです。(ワッハッハ)

< 渡 辺 >
どうもありがとうございました。
会社全景
会社全景

加藤社長
加藤社長


生産プレスライン

200$トランスファープレス
200$トランスファープレス

Mr.ドーソン WC操作中
Mr.ドーソン WC操作中

現在、K.S.of W.V.では、QS9000を取得することを全社的な目標として取組んでみえます。
QS9000を取得するためには、莫大な時間と手間が掛かるわけですが、アメリカでGMやフォードなどから仕事を受注するにはQS9000を取得していることが条件となっているため、取らざるを得ない状況となっています。
K.S.of W.V.のみなさんが、American Doreamを実現、成功されることを祈りつつ、今回の訪問記を締めくくります。

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