昭和50年代前半は、NC放電加工機時代の幕開けとなった。きっかけの一つは、ワイヤ放電加工機の普及発展である。ワイヤ放電加工機によってNCの便利さを知り、より身近かなものにもなってきた。 もう一つは、「NC放電加工機のパイオニア」の旗を掲げたソデイックの創業と抬頭である。晴海の展示会に出品すると言うので早速見に行った時の情景が、今でも記憶に残っている。 我々はすでにNC放電加工機を何台かつくっており、特に目新しいわけではないが、いずれも特注品で、標準的NC仕様機の決定版はまだであった。そんなことで「パイオニア」は、少々オーバーではないかと思いながらも、強く反論するのは大人気ないと思ったようである。
当面の目標は、前にも書いたように、人手を省くためのNC化であるが、XY軸のモータ送りによって、副次的に、優れた送り精度が得られることがわかってきた。これは大きな成果である。 国産放電加工機は、スイス製放電加工機より精度が劣ると言われ続けてきたのは、一つはこの送り精度である。それならばとしてつくった三井精機ージャパックスは、コストパフォーマンスが悪かった。この問題が、ねじ軸のNC制御によってほぼ解決できた。 |